東洋医学では、体の不調を、人間の身体や取り巻く環境も含めて自然哲学的な観点で全身の状態を捉え、陰と陽のバランスの崩れや五行のサイクルの乱れとして考えます。
いわゆる「陰陽五行説」に基づくもので、紀元前770年~紀元前403年の、中国の春秋戦国時代頃に、陰陽思想と五行思想が結びつき体系づけられたものとされています。
陰陽は、万物の持つ性質で、互いが存在することで存在するという相互依存で成り立っ
ていて、どちらか一方だけでは存在しないとされています。
自然界の現象で表すと、寒いは陰・暖かいは陽、夜は陰・昼は陽。人間や体のことで表
すと、女は陰・男は陽、お腹は陰・背中は陽、柔らかいは陰・硬いは陽・・・などにな
ります。さらによく言われる五臓六腑で言えば、腑は陰・臓は陽になるとされています。
また五行は、万物は「水」、「木」、「火」、「土」、「金」の五つの要素から成り立っていて、それぞれの要素がお互いに影響し合って、宇宙も人間も成り立っているとします。
中医薬学では、六臓六腑として臓(陽)については、「水」は腎臓、「木」は肝臓、「火」は心臓、「土」は脾臓、「金」は肺臓、さらに「心包(循環器系)」を加えて、それぞれ影響を与え合っているとされています。また六腑(陰)については、「水」は膀胱、「木」は胆のう、「火」は小腸、「土」は胃、「金」は大腸、そして「三焦(さんしょう)」は諸説ありますが、後天的免疫系もしくはリンパ管とされています。
人間のからだで例えれば、肝臓(木)は血を貯蔵する機能があり、エネルギーを全身にめぐらせ心臓(火)を助け、脾臓(土)を機能させます。心臓(火)には、火の特性で心の体を温める温熱作用によって、その熱で脾臓(土)を温め、肺(金)が酸素や水を下におろす作用を抑制します。また、栄養分をつくり出す脾臓(土)の精微は、肺(金)を養い、脾臓(土)がつくった水穀を全身に送る働きで腎臓(水)の水分をコントロールしています。肺(金)が水を下におろす作用で腎臓(水)を助け、肝臓(木)の上に昇り易い気を抑制します。水をコントロールしエネルギーを貯蔵する腎臓(水)は肝臓(木)を養い、腎臓の水は心臓(火)の熱を抑制する・・・というように影響を与え合っていくことになります。
東洋医学で五つの要素が示す器官は、必ずしも西洋医学で言う器官と同じではありません。たとえば東洋医学で言う「脾」は必ずしも西洋医学で述べる「脾臓」と同じではないとされていますが、わかりやすく述べると、以上のようになるかと思っています。
「経絡」は、人体を、頭から足まで、まるで線路のように走り、複雑に人間のからだのさまざまな部位を示しています。
そして経絡上にあって、気が体内に出入りするための口を「経穴」と言います。俗に言う「ツボ」です。これを刺激することにより、経絡全体に指令が行くしくみになっているとされています。
ツボは、体に異常(気と血の滞り)がみられるときの反応点であり、その異常を改善するための施術点でもあります。例えば、歯痛があるとき、腕のつぼを押すと痛みが軽くなるとされています。
西洋医学では、たとえば肩こりなら肩周辺というように、症状の現れた部位とその周辺に対して施術を行うのが一般です。
しかし、東洋医学では、必ずしも痛みなどの症状の現れた所に、施術を行うものではありません。症状の現れた所に必ずしも原因があるものではないとしています。たとえば腰痛の原因は腸にできた癌だった、あるいは他の内臓や組織の状態にあるというように、腰そのものに原因があるわけではありあません。
ですので、東洋医学では、局所の症状であっても全身を診て、全身的な施術を行います。西洋医学が症状の現れた患部に施術を行う「局所療法」であるのに対し、東洋医学における施術は各部位の関連性とからだ全体から考える「全身療法」です。
西洋医学の局所療法で完治できればそれに越したことがありませんが、一時的に抑えることのできた痛みなどの症状も、原因に対する根本的な施術が行われない限り、またぶり返して、同じ症状の繰り返しであることもあります。
東洋医学では、原因を探り、病を根本から施術しようとするものです。
そういう意味で、痛み止めの薬による処方など、表面的な症状の緩和を目的とする西洋医療の「対症療法」に対し、東洋医学は症状が現れるにいたった原因そのものを取り除く「原因療法(根本療法)」とと言うことができます。
東洋医学では、人間の体内には気・血・水という3つのエネルギーが循環しながら流れていて、この流れがスムーズなことを健康とし、体の不調はこの3つの流れのバランスが滞ることで起こるとしています。
こうした健康感から、病に関する概念も、西洋医学とは異なります。
西洋医学が一般に知られている現在、病気でなければ「健康」としていますが、東洋医学では病気ではなくとも「健康ではない状態」を「未病」として扱います。
健康か病気かではなく、健康であるか・健康でないかになります。
病気になってからの施術を始める西洋医学の「既病医学」に対し、東洋医学は「未ダ病ニナラザル」(=「未病」)状態を病気の予備軍として考え、病を未然に防いでいこうとするものであり、「予防医学」と言うことができます。
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